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平成30年度税制改正大綱が決定(その2)

前回の続きで、税務通信3487号の記事を参考に、与党で決定された平成30年度税制改正大綱の中から広く影響がありそうな項目を確認します。

前回は、法人課税関係の所得拡大促進税制の改組について確認したので、今回は(2)情報連携投資等促進税制の創設から確認します。

(2)情報連携投資等促進税制の創設

これは、生産性向上の実現のための臨時措置法(仮称)の制定を前提に、青色申告書を提出する法人で同法の革新的データ活用計画(仮称)の認定を受けたものが、同法の施行の日から平成33年3月31日までの間に、その革新的データ活用計画に従ってソフトウエアを新設し、又は増設した場合で一定の場合において、情報連携利活用設備の取得等をして、その事業の用に供したときは、その取得価額の30%の特別償却とその取得価額の5%(上記(1)①の要件を満たさない場合には、3%)の税額控除との選択適用ができることとするというものです。

なお、税額控除における控除税額は、当期の法人税額の20%(上記(1)①の要件を満たさない場合には、15%)が上限とされています。

働き方改革を推進するためのIT投資が広く認めようというものなのかと期待しましたが、IoTとかビックデータ関連の投資がターゲットとされている制度のようです。

大綱に掲げられている具体的な要件を確認しておくと、まず金額的な要件として「その新設又は増設をしたソフトウエアの取得価額の合計額(そのソフトウエアとともに取得又は製作をした機械装置又は器具備品がある場合には、これらの取得価額の合計額を含む。)が5,000万円以上の場合」とされています。

この段階で大半の中小企業にはほぼ関係ないものとなってしまうように思いますが、革新的データ産業活用計画(仮称)の認定を受けることが必要とされ、機械装置についてはさらに細かな要件が定められています。計画の認定にどれくらい手間がかかるものなのかも適用を受けようとする場合のポイントとなりそうです。

これらを踏まえると、現時点ではアメというほど、多くの会社が使用できるものではないのではないかと思われます。

(3)租税特別措置の適用要件の見直し(ムチ)

これは、大企業(中小企業者又は農業協同組合等以外の法人)が、平成30年4月1日から平成33年3月31日までの間に開始する事業年度において、次の①②のいずれにも該当しない場合、その事業年度は研究開発税制等の税額控除を適用できないこととするというものです。

要件
①平均給与等支給額が比較平均給与等支給額を超えること
②国内設備投資額が減価償却費の総額の 10%を超えること。

ただし一方で、「その所得の金額が前期の所得の金額以下の一定の事業年度にあっては、対象外とする」とされていますので、儲かっているのに賃上げしていない企業にはペナルティをあたえるというコンセプトといえそうです。

ちなみに「研究開発税制等の税額控除」の中には、上記(2)の情報連携投資等の促進に係る税制も含まれていますので、上記①②の要件を満たさない大企業は原則としてこの適用も受けられないということになります。

税法上は大企業にあたってしまう、一般的な感覚での中小企業で研究開発税制等の適用を受けていた会社にとっては、結構厳しい改正となるのではないかと思われます。

(4)収益認識

会計上収益認識の基準が導入されることなどに伴い、以下の改正が織り込まれています。

① 資産の販売若しくは譲渡又は役務の提供(以下「資産の販売等」という。)に係る収益の額として所得の金額の計算上益金の額に算入する金額は、原則として、その販売若しくは譲渡をした資産の引渡しの時における価額又はその提供をした役務につき通常得べき対価の額に相当する金額とすることを法令上明確化する。この場合において、引渡しの時における価額又は通常得べき対価の額は、貸倒れ又は買戻しの可能性がある場合においても、その可能性がないものとした場合の価額とする。
ただし、「資産の販売等に係る収益の額を実質的な取引の単位に区分して計上できることとするとともに、値引き及び割戻しについて、客観的に見積もられた金額を収益の額から控除することができることとする。」とされています。これにより、新たな収益認識基準で求められる会計処理と法人税法上の取扱を一致させることが可能となっていますが、前年ながら消費税とは泣き別れになるとのことです。

②資産の販売等に係る収益の額は、原則として目的物の引渡し又は役務の提供の日の属する事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入することを法令上明確化する。

③資産の販売等に係る収益の額につき一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って上記②の日に近接する日の属する事業年度の収益の額として経理した場合には、上記②にかかわらず、当該資産の販売等に係る収益の額は、原則として当該事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入することを法令上明確化する。

④返品調整引当金制度は、廃止する。

⑤長期割賦販売等に該当する資産の販売等について延払基準により収益の額及び費用の額を計算する選択制度は、廃止する。

さらに、その他所要の措置を講ずるとされていますので、収益認識基準が導入されても基本的には会計と法人税の間で面倒な調整は行わなくてもすむということになるようです。

(5)その他

交際費等の損金不算入制度および特例(接待飲食費の額の50%までの損金算入の特例、中小法人に係る損金算入の特例)の適用期限が2年間延長されます。

中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例の適用期限が2年延長されます。

グリーン投資減税は適用期限で廃止されます。

法人課税関係について、他にも重要なものはあるかもしれませんが、税制改正が確定したらあらためてフォローしたいと思います。

所得課税関係等については次回以降とします。

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