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出る杭はもっと出ろ!

「資本の払い戻し部分」に「利益配当」が含まれる結果となれば政令は違法・無効

「利益剰余金と資本剰余金の双方を原資とする剰余金の配当」は全額が「資本の払い戻し」”で税務通信3491号に掲載されていた国が敗訴した裁判について記載しましたが、前回の税務通信の記事で「株式又は出資に対応する部分の金額」の算定方法の規定(現行: 法令23 ①四)が違法・無効と判断された部分の詳細が、今週号の税務通信で紹介されていました。

まず、前回記載した内容の繰り返しとなりますが、利益剰余金と資本剰余金の双方を原資とする剰余金の配当は全体が「資本の払い戻し」となるという点については、裁判所は国の主張を認めました。

法人株主が資本の払い戻しによる金銭の交付を受けた場合には、利益配当(益金不算入)と同一とられる金額が含まれている場合があるため、その払戻しにより「交付された金銭」を「資本の払い戻し部分(株式または出資に対応する部分の金額)」と「みなし配当部分」とにプロラタに区分することとされています(法法24①四)。

東京地裁はこのプロラタ計算について、”「資本の払戻しのみなし配当(法法24①四)」の規定等は、利益配当が、有価証券の譲渡対価(資本の払戻し部分)に含まれていて法人税の課税対象となる事態を想定していない”として、『プロラタ計算を定める規定(法令23①四)に従って”資本の払戻し部分”を算定した結果、利益配当が、”資本の払戻し部分”資本に含まれる場合には、その政令の定めは、「資本の払戻しのみなし配当(法法24①四)」の規定等の委任の範囲を逸脱し無効であると解すべき』と判断したとのことです。

『つまり、本来は、支払いを受けた法人側で課税されないはずの「利益配当」が、プロラタ計算の結果、有価証券の譲渡対価として課税される”資本の払戻し部分”に含まれてしまう場合には、「利益配当」とみなされて二重課税が回避される「資本の払い戻しのみなし配当(法法24①四)」の規定等の趣旨にそぐわないとした』と上記の記事では解説されています。

この事案では、プロラタ計算に使用される「払戻対応資本金額等」の金額を計算すると、減少した資本剰余金の金額を上回る金額となるため、「払戻対応資本金額等」に「利益配当」が含まれ、これを前提としてプロラタ計算される「資本の払戻し部分」にも「利益配当」部分が含まれることとなるため、法令23①四のプロラタ計算部分の定めは無効と裁判所は判断したとされています。

なお、この事案では、子会社は利益積立金がマイナスであったとされ、この点について『東京地裁は、利益積立金がマイナスの場合、「利益配当(利益剰余金を原資とする剰余金の配当)」を課税済みのものとして、配当を受けた法人側で益金不算入とすることが相当といえるかどうかが一応問題となるものの法人税法の趣旨に合致しているものと解される』と判断したしたのことです。

利益剰余金を原資として約5億4000万ドルの利益配当を行ったとされているところ、利益積立金がマイナスというのが、理解しにくいところですが、配当を行った法人は米国デラウェア州法に基づく法人であったとのことですので、日本の会社法をベースに考えてはいけないということなのだと思われます。

前回も記載したとおり、国は控訴したとのことなので、最終的に取り扱いが確定するのにはしばらくかかりそうですが、裁判の動向には注意しておこうと思います(といっても税務通信等でとりあげられるのを待つだけですが・・・)。

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