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野村不動産、営業職に裁量労働制?

野村不動産で不当に裁量労働制が適用された50代の男性社員が長時間労働が原因で自殺し、過労自殺として労災認定されていた報道されています。

確認してみると、既に昨年12月に野村不動産が裁量労働制を全社的に不正適用していたことに対して、本社(東京)や関西支社など全国4拠点に対し労働基準監督署が是正勧告を行ったという報道がなされていました(2017年12月26日 朝日デジタル)。

今回の件は、上記で不正に裁量労働制が適用されていた社員の中で、過労死認定されていた方がいたということが判明したというものですが、12月時点の報道によれば、同社は、裁量労働制の適用が認められないマンションの個人向け営業などの業務に就く社員に対し、全社的に制度を適用していたとされています。

また、「野村不動産に是正勧告 裁量労働制を全社的に不正適用」(朝日デジタル2017年12月26日)では以下のように報じられています。

同社によると、全社員約1900人のうち、課長代理級の「リーダー職」と課長級の「マネジメント職」の社員計約600人に裁量労働制を適用していた。30~40代が中心で、住宅販売の担当者もいた。2005年4月以降、課長代理級以上に昇進した社員が対象だという。「中堅社員であれば、裁量を持たせて企画提案型の事業を推進できると判断した」と適用の理由を説明しているが、同労働局は対象の社員を「個別営業などの業務に就かせていた実態が全社的に認められた」と指摘。大半が「対象業務に該当しない」として違法と判断した。

まず、企画業務型の裁量労働制の対象業務を確認しておくと、以下のすべてに該当するものとされています(「企画業務型裁量労働制」の適正な導入のために 東京労働局)。

  1. 事業の運営に関する事項(対象事業場の属する企業・対象事業場に係る事業の運営に影響を及ぼす事項)についての業務であること
  2. 企画、立案、調査及び分析の業務(企画、立案、調査及び分析という相互に関連し合う作業を組み合わせて行うことを内容とする業務であって、部署が所掌する業務でなく、個々の労働者が担当する業務)であること。
  3. 当該業務の性質上これを適切に遂行するにはその遂行の方法を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要がある業務であること
  4. 当該業務の遂行手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととする業務であること

また、厚生労働省告示第353号(改正(平15.10.22))には、企画業務型裁量労働制の対象業務となり得る業務の例として「営業に関する企画を担当する部署における業務のうち、営業成績や営業活動上の問題点等について調査及び分析を行い、企業全体の営業方針や取り扱う商品ごとの全社的な営業に関する計画を策定する業務」というものがあげられている一方で、対象業務とならない例として「個別の営業活動の業務」があげられています。

ごく単純にいえば、全社的な営業戦略を考えるような業務であれば、企画型裁量労働制の対象業務となりうるが、いわゆる営業の業務は対象業務にはなりえないといえます。

上記の報道で、野村不動産は「企画提案型の事業を推進する」労働者として、企画業務型裁量労働制を適用したとしています。普通に考えると、企画型裁量労働制を適用するのはかなり難しいように考えられます。野村不動産クラスの会社が、そんなにいいかげんな解釈で企画型裁量労働制を従業員の約1/3に適用していたのかというのは疑問が残りますが、特に争う姿勢もなく4月から裁量労働制が廃止されることになっているようですので、意図的なものであったといわれても仕方がないでしょう。

単に杜撰な適用というだけであれば、監査役監査や内部監査で発見される可能性が高いと思われるだけに、知っていながら無理矢理こじつけて裁量労働制として運用していたと判断してよいのではないかと思います。

今回の件では企画型裁量労働制の不適切な運用が問題となっていますが、管理監督者の不適切な適用も、まだまだ残っているように感じます。

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