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フェア・ディスクロージャー・ルールのポイントを確認(その1)

フェア・ディスクロージャー・ルールが導入され、内容もなんとなく見聞きしていましたが、そろそろ金融庁から公表されたガイドラインに一度きちんと目を通しておくこととしました。

フェア・ディスクロージャー・ルール(以下FDルール)は、「投資者に対する公平な情報開示を確保するために導入されたもの」で、「発行者による早期の情報開示、ひいては投資家との対話が促進されるといった積極的な意義があるとされている」ものです(ガイドライン(問1)。

企業側としては、何がFDルールの対象となるのか、その情報をどのように管理すればよいのかが一番気になるところですが、この点については、ガイドライン問2で以下のように述べられています。

まず、FDルールは、「未公表の確定的な情報であって、公表されれば有価証券の価額に重要な影響を及ぼす蓋然性のある情報を対象」としています。そしてどのような情報管理を行うべきかについては、会社の状況に応じて以下の三つの方法が例として示されています。

  1. 諸外国のルールも念頭に、何が有価証券の価額に重要な影響を及ぼし得る情報か独自の基準を設けてIR実務を行っているグローバル企業は、その基準を用いて管理する
  2. 現在のインサイダー取引規制等に沿ってIR実務を行っている企業については、当面、・ インサイダー取引規制の対象となる情報、及び決算情報であって、有価証券の価額に重要な影響を与える情報を管理する
  3. 仮に決算情報のうち何が有価証券の価額に重要な影響を与えるのか判断が難しい企業については、インサイダー取引規制の対象となる情報と、公表前の確定的な決算情報を全て本ルールの対象として管理する

なお、上記でいう「決算情報」とは「年度又は四半期の決算に係る確定的な財務情報」をいうとされています。したがって、月次の売上などの数値については、一般的にはそれ自体では「決算情報」には該当しないとされています。一方で、公表されれば有価証券の価額に重要な影響を及ぼす蓋然性のあるものであれば、決算に関する定量的な情報のみならず、増収見込みである旨などの定性的な情報は「決算情報」に該当するとされています。(「コメントの概要及びコメントに対する金融庁の考え方」金融庁、以下「コメント対応」とします)。

決算情報のうち、「有価証券の価額に重要な影響を与える情報」が何であるのかを判断して管理するというのも、結構難しいような気がしますので、基本的には上記3で管理する会社が多くなるのではないかと考えられます。

次に、企業の将来情報についてはどのように取り扱われるのかですが、この点については、ガイドラインの問4で以下の3点について見解が明らかにされています。

  1. 中長期的な企業戦略・計画等に関する経営者との議論の中で交わされる情報
  2. 既に公表した情報の詳細な内訳や補足説明、公表済の業績予想の前提となった経済の動向の見込み
  3. 他の情報と組み合わさることによって投資判断に影響を及ぼし得るものの、その情報のみでは、直ちに投資判断に影響を及ぼすとはいえない情報(いわゆる「モザイク情報」)

基本的な考え方としては、上記はいずれもFDルールの対象となる情報には該当しないといとされていますが、公表されれば有価証券の価額に重要な影響を及ぼす蓋然性のある情報であればFDルールの対象となる情報に該当することになります。

具体的には、中期計画等に関しては、中期計画等で公表を予定している利益等に関する具体的な計画内容などが、それ自体として投資判断に利用できるような情報は、重要情報の伝達に該当する可能性があるとされています。また、経済動向の見込みなどについては、「企業の業績と契約済みの為替予約レートとの関係に関する情報であって、その後の実際の為替レートの数値と比較することで容易に今後の業績変化が予測できるような、それ自体として公表されれば有価証券の価額に重要な影響を及ぼす蓋然性のある情報が含まれる場合」は重要情報に該当する可能性があるとされいています。

今回の最後に、事故や災害などの事象が発生した場合に、取引関係者から発生した事故は災害などによる業績の影響に対する質問があり、これに対して「影響が軽微である」旨を回答するのはFDルールの対象となるのかについて確認します。

この点については、コメント対応で、発生した事故や災害などの事象による業績への影響が公表されても、上場会社等の有価証券の価額に重要な影響を及ぼす蓋然性がない場合には、FDルールの対象となる重要情報には該当しないとされています。そして、インサイダー取引規制の対象となる情報及び決算情報であって、有価証券の価額に重要な影響を与える情報を管理することとされており、事故等による損害額が軽微基準を超えない場合には、当該事故等による損害に関する情報はインサイダー取引規制におけるバスケット条項に該当しない限り、重要情報には該当しないとされています。

今回はここまでにします。

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