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有価証券報告書と事業報告記載の一体化に向けた留意点(その3)

有価証券報告書と事業報告記載の一体化に向けた留意点(その2)の続きです。ASBJの「有価証券報告書の開示に関する事項 -『一体的開示をより行いやすくするための環境整備に向けた対応について』を踏まえた取組-」において記載の共通化に向けた留意点として取り上げられている15項目の残りを確認します。なお、以下の番号と冊子で紹介されている番号は、記載順序を変更している部分があるため、異なります。

10.「役員の状況」/会社役員の「地位及び担当」並びに「重要な兼職の状況」(開示府令第三号様式記載上の注意(36)/施行規則第121条第2号及び第8号)

ここでは以下の部分の記載を共通化できると考えられるとされています。

  • 事業報告の会社役員に関する事項における「地位」と有価証券報告書の「役員の状況」における「地位」
  • 事業報告における会社役員の「担当」を有価証券報告書における「職名」欄にXX担当というような記載をすることもできる(又は「略歴」欄も使用可能)
  • 事業報告の「重要な兼職の状況」を有価証券報告書の「役員の状況」における「略歴」欄に記載することもできる
  • 事務作業効率上、共通化を図らなくてもほとんど影響がなさそうに感じますが、「作成にあたってのポイント」では「記載事例においては、他の主要な会社の代表取締役に就任している場合を例示していますが、他の主要な会社の役員に就任している場合等についても記載することは可能であり、・・・」と記載されています。

    これは有価証券報告書の「記載上の注意」において「例えば、」として、「他の主要な会社の代表取締役に就任している場合」が示されていることを受けたものだと考えられます。とはいえ、有価証券報告書の略歴に記載する事項と事業報告の重要な兼職の状況については記載の整合性を考えることが多いと思われますし、有価証券報告書の略歴には他社の代表取締役以外の役員等であっても記載されていることも多いので、ほとんど影響はないと思われます。

    有価証券報告書では、提出日現在の状況を記載しなければならないという点が、事業報告との一番の違いだと思いますが、この点について「作成にあたってのポイント」では以下のように記載されています。

    定時株主総会前に有価証券報告書を提出する場合には、一般的には、有価証券報告書における「役員の状況」の記載となる役員と事業報告の「会社役員に関する事項」の記載の対象となる役員との間に、当該定時株主総会における役員の異動による相違は生じないものと考えられます。

    総会の前日にでも有価証券報告者を提出すればいいのかとも思いましたが、結局1Qの四半期報告書で役員の異動について記載することになるので、記載時点の相違についてはあきらめるしかないということになりそうです。

    11.「社外役員等と提出会社との利害関係」/社外役員の重要な兼職に関する事項(開示府令第三号様式記載上の注意(37)及び開示ガイドライン5-19-2/施行規則第124条第1項第1号及び第2号)

    ここでは、事業報告で重要な兼職の状況に関連して記載が求められる「当該株式会社と当該他の法人等との関係」と有価証券報告書における「人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係」については、実務上、共通の記載をすることができると考えられるとされています。

    敢えて異なる記載をしているというケースは多くはないと思いますので、これも影響はほとんどないと思われます。

    12.「社外取締役の選任に代わる体制及び理由」/「社外取締役を置くことが相当でない理由」(開示府令第三号様式記載上の注意(37)/施行規則第124条第2項)

    2017年7月26日に東京証券取引所が公表した「東証上場会社における独立社外取締役の選任状況及び委員会の設置状況」によれば、全上場会社において独立社外取締役が0名の会社は全体の8.2%となっていることからすると、そもそも当該項目が関係する会社は少ないという状況になっています。

    「社外取締役を置くことが相当でない理由」については、一時期話題になったこともあり記憶に残っていましたが、有価証券報告書の「社外取締役の選任に代わる体制及び理由」については、そんなものあったかなというのが正直なところでした。

    そこで確認しておくと、第二号様式(記載上の注意)(57)コーポーレートガバナンスの状況a(c)において「社外取締役又は社外監査役を選任していない場合には、その旨及びそれに代わる社内体制及び当該社内体制を採用する理由を具体的に記載すること。」とされています。

    この記載と「社外取締役を置くことが相当でない理由」を共通化することができると考えられるとされていますが、上記のとおり、そもそも関係する会社の割合が減少していますので、ほとんどの会社にとっては無関係ということになります。

    13.「役員の報酬等」/「会社役員の報酬等」(開示府令第三号様式記載上の注意(37)/施行規則第121条第4号及び第5号並びに第124条第1項第5号及び第6号)

    これは、「有価証券報告書の記載を基礎として、社外役員の報酬総額を社外取締役の報酬総額と社外監査役の報酬総額に区分して記載すること」で記載事項の共通化を図るというものです。

    有価証券報告書上の「役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数」では、社外取締役と社外監査役分をまとめて「社外役員」として記載されることが普通ですが、既に上記のような開示をしている事例も見受けられます。参考までに2つ事例を紹介しておきます。

    ①日置電機株式会社 2017年12月期有価証券報告書

    ②株式会社ヘリオス 2017年12月期有価証券報告書

    ASBJの冊子で示されている記載事例も上記のような感じの事例が示されています。

    14.「監査公認会計士等に対する報酬の内容」/「各関係監査人の報酬等の額」及び「株式会社及びその子会社が支払うべき金銭その他の財産上の利益の合計額」(開示府令第三号様式記載上の注意(38)/施行規則第126条第2号及び第8号イ)

    この項目の「作成にあたってのポイント」では以下のように記載されています。

    報酬等の額については、事業報告の内容とすべき事項としても、有価証券報告の様式に従って、提出会社及び連結子会社それぞれについて、監査証明業務と非監査業務に区分して報酬額を記載することで、共通の記載をすることができると考えられます。

    要は、有価証券報告書の記載をそのまま使用できるというものです。

    15.財務諸表及び計算書類の表示科目(財規第17条第1項第7号等/計算規則第74条第3項第1号トからヲまで等)

    これは、「財規に従った内容の計算書類を作成することができると考えられ」るというもので、例として、計算規則で「商品」、「製品、副産物及び作業くず」などとされていても、財規にしたがい「商品及び製品(半製品をふくむ。)」などとすることができるとされています。

    有形固定資産の減価償却累計額を間接控除にするか直接控除にして注記するかが、有価証券報告書と計算書類で異なるということはよくあると思いますが、表示科目について、表示科目名が両者で異なるというのはあまり多くはないのではないかと思いますが、事例を検索してみると以下の事例が見受けられました。

    <日本特殊陶業株式会社 2017年3月期 有価証券報告書>

    <同社 計算書類>

    有価証券報告書の原材料と計算書類の原料及び材料は金額は同じですが表示科目は相違しています。

    上記のように両者の科目が相違するものを統一しようとした場合には、「表示方法の変更を行う必要があります」とされています。

    以上で15項目となります。記載の共通化は、双方に同じ内容を記載するだけで、作業側からすれば無駄な作業の最たるものともいえますが、記載の共通化をすすめた結果、どちらかで記載すればよいということになるのであれば、積極的に取り組む価値はあるかもしれません。

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