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収益認識に関する会計基準と法人税法上の取扱い(その2)

収益認識に関する会計基準と法人税法上の取扱い(その1)“の続きです。

4.変動対価(リベート等)

リベート等については”平成30年度税制改正を確認-法人税(その1)”で、会計の取扱いが法人税法でも基本的に容認される旨記載しましたが、T&A master No.736に「収益認識会計基準と法人税法上の取扱い」では、「法基通の取扱いの方向」として、認められるための要件が記載されていました。

すなわち、以下の三つの要件全てを満たす必要があると記載されています。

  1. 値引き等の事実の内容及びその値引き等の事実が生ずることにより契約の対価の額から減額または増額する可能性のある金銭又はその算定基準がその契約若しくは法人の取引慣行若しくは公表した方針等により相手方に明らかにされていること又はその事業年度終了の日において内部的に決定されていること。
  2. 過去における実績を基礎とする等合理的な方法のうち法人が継続して適用している方法により前記1.の減額若しくは増額の可能性または算定基準の基礎数値が見積もられ、その見積もりに基づき変動対価の額が算定されていること。
  3. 前記1.を明らかにする書類及び前記2.の算定の根拠となる書類を保存していること。

5.顧客に支払われる対価(キャッシュ・バック等)

収益認識会計基準では、「顧客に支払われる対価は、顧客から受領する別個の財又はサービスと交換に支払われるものである場合は除き、取引価格から減額」し(会計基準63項)、「関連する財又はサービスの移転に対する収益を認識する時」と「企業が対価を支払うか又は支払いを約束する時」のいずれか遅い方が発生した時点(又は発生するにつれて)で収益を認識することとされています(会計基準64項)。

本来顧客からは代金を回収するものなので、「顧客に支払われる対価」というと何だか違和感を覚えますが、とりあえずキャッシュ・バックをイメージするとわかりやすいのではないかと思います。そのキャッシュ・バックが、実際は他の財・サービスの購入対価であるような場合でなければ、取引価格を減額する必要あるということになります。適用指針の設例14では、棚代が顧客に支払われるケースが取り上げられています。

[設例14] 顧客に支払われる対価
1.前提条件
(1) 消費者向け製品X を製造しているA 社は、X1 年1 月に、大手の小売チェーンであるB社(顧客)に製品X を1 年間販売する契約を締結した。契約では、B 社が1 年間に少なくとも15,000 千円分の製品X を購入すること及びA 社が契約における取引開始日にB社に対して返金が不要な1,500 千円の支払を行うことが定められている。この1,500 千円の支払は、B 社がA 社の製品X を収容するために棚に変更を加えることについての補償である。
(2) 会計基準第63 項及び本適用指針第30 項に従って、A 社がB 社の棚への何らかの権利に対する支配を獲得するものではないため、B 社への支払は、A 社がB 社から受領する別個の財又はサービスとの交換によるものではないとA 社は判断した。したがって、A社は、この1,500 千円の支払は取引価格から減額すると判断した。
(3) A 社は、会計基準第64 項に従って、B 社に支払われる対価1,500 千円は、A 社が製品X の販売に対する収益を認識する時に、取引価格の減額として処理すると結論付けた。
(4) A 社は、X1 年1 月に製品X を2,000 千円販売した。
2.会計処理
X1 年1 月におけるA 社の仕訳は、次のとおりである

反対に、顧客に支払われた対価が広告宣伝費に該当すると判断される場合には、当該対価は取引価格を減額する必要はないということになります。

法人税法上の取扱いも同様の取扱いとされる方向であるとされていますが、「抽選券付販売及び金品引換券付販売について、対象からキャッシュ・バック等に該当する取引を除くこととし、キャッシュ・バック等以外のものについては、引き続き販管費等として債務が確定したときの損金とされる方向である。」とされています。

6.返金不要な契約における顧客からの支払い

収益認識会計基準では、原則として返金が不要な契約における取引開始日の顧客からの支払いは将来の財又はサービスに対する前払いであるとされ、その財又はサービスが提供された時に収益が認識することとされています(適用指針57項から60項)。

返金不要の一時金が先に支払われるような取引は比較的多くある取引だと思われますが、「法基通の取扱いの方向」として、T&A masterの記事では以下のように記載されています。

中途解約の有無にかかわらず、返金不要の支払いについては、原則として入金時に収益計上するが、契約等の特定期間における役務の提供ごとにそれと具体的な対応関係をもって発生する対価からなるものとみることができる場合には、その特定期間の経過に応じて益金に算入することができる。

収益認識会計基準適用指針58項では「返金が不要な顧客からの支払が、約束した財又はサービスの移転を生じさせるものでない場合には、将来の財又はサービスの移転を生じさせるものとして、当該将来の財又はサービスを提供する時に収益を認識する」とされており、「約束した財又はサービスの移転を生じさせるものでない場合」は将来の財又はサービスの移転を生じさせるものと取り扱われるのに対して、上記「法基通の取扱いの方向」では「具体的な対応関係をもって発生する対価からなるものとみることができる場合」に「その特定期間の経過に応じて益金に算入することができる」とされており、捉え方の方向が異なっているようです。

法人税法上の取扱いに限らず、会計上の考え方についても、今後情報が出てくると思いますので継続フォローしていこうと思います。

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