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平成30年度税制改正を確認-法人税(その1)

平成30年度税制改正について確認していきます。参考書籍は、「税制改正マップ (平成30年度)(あいわ税理士法人編)」「どこがどうなる!? 税制改正の要点解説 (平成30年度) 監修 朝長英樹」の2冊です。

1.益金算入額・益金算入時期の明確化

(1)益金算入額

2018年3月30日に「収益認識に関する会計基準」等が公表され、2021年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から原則適用されることとなりましたが、これら会計基準の適用によって、会計上、従来とは収益として認識する金額、時期が異なる可能性があります。

新たな会計基準により収益認識された金額の法人税法上の取扱いが平成30年度税制改正で定められました。

資産の販売もしくは譲渡又は役務の提供に係る収益の額として、所得の金額の計算上、益金の額に算入する金額は、原則として、その販売若しくは譲渡をした資産の引き渡しの時における価額又はその提供をした役務につき、通常得べき対価の額に相当する金額とするここととされています(新法法22の2④)

そして、法人税法上の取扱いと会計上の取扱いが異なることとなるのは、「貸倒れ又は買い戻しの可能性がある場合」の取扱いです。

法人税法においては、引き渡しの時のおける価額又は通常得べき対価の額は、貸倒れ又は買戻しの可能性がある場合においても、その可能性がないものとした場合の価額とされています(新法法22の2④)。

なお、ここでいう”「貸倒れ」と「買戻し」は、新収益基準の「変動対価」における貸倒れと「返品権付販売」を想定して”いるとのことです(経営財務3340号「30年度税制改正大綱における新収益基準対応)。「変動対価」における貸倒れが何を意味するのかですが、「税制改正マップ (平成30年度)(あいわ税理士法人編)」では、以下のように記載されています。

新会計基準では、商品の販売時点において回収が見込まれない金額(貸倒れの可能性)がある場合には、回収可能性が高いと見積もった部分だけを収益に計上します。また、商品の販売時点において商品の返品(買戻し)が見込まれる場合には、返品されないと見込まれる部分だけを収益に計上します。

「収益認識に関する会計基準」では、契約の識別において、識別される契約が「顧客に移転する財又はサービスと交換に企業が権利を得ることとなる対価を回収する可能性が高いこと」という要件を満たすことが必要とされています。そして、「当該対価を回収する可能性の評価にあたっては、対価の支払期限到来時における顧客が支払う意思と能力を考慮する」とされています(収益認識会計基準19項(5))。

上記に対する設例として、IFRS15の設例を基礎とした以下の設例が適用指針に記載されています。

[設例2] 対価が契約書の価格と異なる場合
1.前提条件
(1) A 社は、医薬品 1,000 個を 1,000 千円で、X 国の B 社(顧客)に販売する契約を締結した。X 国は深刻な不況下にあり、A 社は、これまで X 国の企業との取引実績がないことから、B 社から 1,000 千円全額は回収することができないと予想した。ただし、A 社は、X 国の経済は 2 年から 3 年で回復し、B 社との関係が X 国での潜在的な顧客との関係構築に役立つ可能性があると判断した。
(2) A 社は、会計基準第 19 項(5)の要件に該当するかどうかを判定する際に、会計基準第47 項及び本適用指針第 24 項(2)も考慮し、事実及び状況の評価に基づき、B 社から対価の全額ではなく、その一部を回収することを見込んだ。したがって、A 社は、取引価格は 1,000 千円(固定対価)ではなく変動対価であると判断し、当該変動対価として 400千円に対する権利を得ると判断した。
(3) A 社は、B 社の対価を支払う意思と能力を考慮し、X 国は不況下にあるが、B 社から 400千円を回収する可能性は高いと判断した。したがって、A 社は、会計基準第 19 項(5)の要件が、変動対価の見積額 400 千円に基づいて満たされると判断した。さらに、A 社は、契約条件並びに他の事実及び状況の評価に基づき、会計基準第 19 項における他の要件も満たされると判断した。

2.会計処理
医薬品の販売時

法人税法上は、上記のようなケースであっても、契約価額の1,000千円で収益を認識しなければならず、回収不能部分は別途貸倒の要件を満たした段階で損金算入するということになるということだと考えられます。

「収益認識に関する会計基準」においては、顧客との契約に含まれる「履行義務」を識別し、それぞれの履行義務が充足されたときに収益が認識されることとなります。ある製品を販売する際に、初年度の保守費用は無償として、2年目以降は有償の保守サービスを販売しているケースは比較的よく見られる事例だと思います。このような場合、現行の実務では出荷基準等の収益認識基準に基づいて一括して売上計上していると考えられますが、新会計基準では、本体部分と(無償といっていた)保守部分とに販売対価を配分して収益認識をすることが求められることとなります。

このような収益認識は、直感的には法人税法では認められないのではないかという気がしますが、資産の販売等に係る収益の額を実質的な取引の単位に区分して計上して収益認識を行った場合は、法人税法上もそれを益金とすることができるとされていますので、会計と税務で取扱いに差はないということになります。

また、「収益認識に関する会計基準」によって、値引き・割戻しを収益から控除して収益を認識した場合も、法人税法上、会計上の収益をそのまま益金の額に算入することとされています。

(2)益金算入時期

法人税法上、益金算入時期が明確化されています。すなわち、資産の販売若しくは譲渡又は役務の提供(以下「資産の販売等」という)に係る収益の額は、資産の販売等に係る目的物の引渡し又は役務の提供の属する事業年度の所得の計算上、益金の額に算入することとされています(新法法22の2①)。

なお、、資産の販売等に係る収益の額につき一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って、上記の日に近接する日の属する事業年度の収益の額として経理した場合には、上記にかかわらず、当該資産の販売等に係る収益の額は、原則として当該事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入することとされています(新法法22の2②)。

(3)適用時期

上記の改正は平成30年4月1日以後に終了する事業年度に適用されます。新会計基準の原則適用は平成33年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首からとなっていますが、平成30年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から新会計基準を早期適用することも可能となっているためです。

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