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有価証券等の譲渡に係る内外判定の改正(消費税)ー平成30年度改正

税務通信3509号の税務の動向に「有価証券等の譲渡に係る内外判定が改正」という記事が掲載されていました。

平成30年度税制改正によるものですが、そんな改正があったかなと確認してみると、確かに消費税の改正事項の一つに「券面のない有価証券等の譲渡に係る内外判定の見直し」(平成30年度税制改正マップ あいわ税理士法人編)という項目がありました。

一般的な感覚としては、有価証券等の譲渡と消費税は結びつきにくい項目であると思います。株式、社債、国債等の有価証券の譲渡は消費税の性格から課税対象とするのになじまないため非課税取引であるというのは、消費税についての書籍には必ずと言っても良いくらい記載がある事項ではないかと思います。

したがって、普通に考えると有価証券の譲渡と消費税は関係ないはずなのですが、非課税取引の有価証券の譲渡対価の5%を課税売上割合の計算上、分母の額に加算することとされていることにより、課税売上割合の計算を通じて消費税の納税額に影響を与えることとなっています。

頻繁に売買されることもある有価証券の譲渡対価をそのまま非課税売上として課税売上割合の算定に含めると、課税売上割合が低くなりすぎてしまうということで5%という値が設けられたようです。

そこで問題となるのが、有価証券等の譲渡についての内外取引の判定で、仮にその有価証券等の譲渡が国外取引であれば「不課税取引」となり、非課税取引ではないので課税売上割合の算定にも影響しない一方で、国内取引であれば「非課税取引」としてその譲渡対価の5%を課税売上割合の算定上考慮しなければなりません。

1.改正前の概要

消費税法改正前は、有価証券の譲渡等に係る内外判定は、株券等の発行があることを前提として、「有価証券が所在していた場所」によって判定されることとされていました(旧消令6①九イ)。

しかし、株券等の電子化が実施されたことにより、有価証券等の所在場所で内外判定が不可能となると、消費税施行令第6条第1項10号「資産の所在場所が明らかでないものの内外判定」の規定により、「その譲渡等を行う者の事務所等の所在地」で判断をすることとされていました。

そして金融庁「平成30年度税制改正について」では「現状および問題点」として以下のように記載がされてています。

消費税法上、資産の譲渡に係る消費税の内外判定については、原則、当該資産の所在地で判定することとなっているが、無券面の外国証券等の譲渡については、その内外判定基準が不明確との指摘がある。

このような指摘があった理由は、「平成18年当時は、消費税法施行令第1条第2項第3号<<登録国債等>>の定義に外国債が含まれ、同令第6条1項第8号ロの規定で「登録国債等の登録をした機関の所在地」により判定することが明らかであった」(税務通信No3509号)ものの、その後、証券取引法の一部改正等を受け、平成20年に「登録国債等」から「等」が削除され、外国債の内外判定を従来通り登録国債に類するものとして「登録国債の登録をした機関の所在地」で判定できるのか、「資産の所在場所があきらかでないものの内外判定」によらなければならないのか不明確であったためとされています。

2.平成30年度税制改正の内容

上記のような問題を受け、平成30年度税制改正では、券面のない有価証券等の譲渡に係る内外判定が以下のように改正されました。

  1. 振替機関又はこれに類する外国の機関が取り扱う券面のない有価証券については、振替機関等の所在地で内外判定を行う。
  2. 1.以外の券面のない有価証券等については、その有価証券等に係る法人の本店、主たる事務所その他これらに準ずるものの所在地で判定する。

基本的にはどの取引所で取引されたかを確認すればよいということだと考えられます。

なお、上記の改正は、平成30年4月1日以後に行われる資産の譲渡等から適用となります。

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