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インボイス制度における端数処理は何故領収単位か?

少し前に”インボイス制度の消費税端数処理はインボイス単位でしか認められない”で書きましたが、2023年10月1日から導入されるインボイス制度では、請求書等に記載する消費税等に係る消費税額等に係る端数処理について一請求書当たり税率毎に1回とするルールが設けられています。

この点に関連して、税務通信3526号では「事業者からは『なぜ領収単位で端数処理した金額を記載しなければならないのか』『なぜ商品毎の端数処理の足し上げが認められないのか』との疑問の声が上がっているが、規定の裏には、端数処理の端数処理の細分化による納税額の減少等を避ける意図があるようだ」として解説記事が掲載されていました。

同記事によると現行の消費税法では、消費税の税額計算上の端数処理は「個々の課税資産の譲渡等に係る対価の額ごとに消費税の税率を乗じて消費税額を算定する方式ではなく、課税期間中における課税資産の譲渡等に係る対価の額の合計額を課税標準として税率を乗じ、消費税額を計算する”総額計算方式”が採用されているため、課税標準額の合計額に税率を乗じた際に1回、端数処理をする仕組み」が採用されていますが、インボイス制度導入後は、「税額計算の方法が変更され、仕入税額はインボイスに記載された消費税額等の合計額に78/100を掛けて消費税額を算出する「積上げ計算」が原則」になるため、商品単位で端数処理を認めると総額計算方式に比べ納税額の減少が想定されるので領収単位での端数処理が要請されるということのようです。

今も商品毎に消費税額が明示されていることが比較的多いと思いますが、仕入税額控除の適用要件として保存が義務づけられる請求書等に記載が求められるのは「対価の額」で「消費税等の額」ではないので、現行法においては、商品毎に端数処理が行われ消費税額等が記載されていても、消費税額の計算上は基本的に意味がないものであるのに対して、インボイス制度導入後はインボイスに記載された消費税額等が意味を持つのでインボイス単位で端数処理した消費税額等の計算が必要となるということになります。

なお、現行法では積上げ計算の特例が認められていますが、この特例も「個々の商品ごとに端数処理を行った消費税額の積上げを容認しているのではなく『決済上受領すべき金額(合計額)』ごとに端数処理を行うルール」となっており、基本的な考え方はインボイス単位で端数処理を行うという考え方と同様となっているといえます。

たかが端数処理ではありますが、システム変更が必要となる可能性があるため、注意が必要です。

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