閉じる
閉じる
閉じる
  1. 18監査事務所が会計士資格を誤表記で有報訂正が必要らしい
  2. 内部統制新基準が2025年3月期より適用に(公開草案)
  3. デューデリジェンス(DD)費用の税務上の取り扱い
  4. テレワークの交通費、所得税の非課税限度額適用の有無は本来の勤務地で判断…
  5. プライム市場上場会社、88.1%が英文招集通知を提供
  6. タクシー、インボイス対応か否かは表示灯での表示を検討?
  7. 副業の事業所得該当判断の金額基準はパブコメ多数で見直し
  8. 総会資料の電子提供制度、発送物の主流はアクセス通知+議案等となりそう
  9. 押印後データ交付の場合、作成データのみの保存は不可(伝帳法)
  10. 四半期開示の議論再開(第1回DWG)
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

長期のインセンティブが弱いRS等に多くの反対票

CGコードの要請もあり、RS等の導入が多くの会社で見られるようになっていますが、平成30年6月の株主総会で、中長期インセンティブとしての機能に疑念が持たれる株式報酬に投資家から多くの反対票が投じられたという旨の記事がT&A master No.757に掲載されていました。

長期的なインセンティブとして機能しないと考えられる株式報酬に対して、反対票が多くなるというのは予想できますが、この記事で取り上げられていた事例2件の賛成率はいずれも60%台とされています。

一つ目の事例は、東証一部上場のメーカーで、「社内取締役を対象に、譲渡制限期間が1~5年の譲渡制限付株式の付与議案を上程したところ、賛成率は64.89%という低率にとどまった」とされています。

同社のROEは5.43%で、「(伊藤レポートの求める8%を下回っており、決して高くないものの)目を覆うほどの数字でもない」とされています。このような状況で多くの反対票が投じられた原因としては、「譲渡制限の期間が最短で1年となり得ることから『長期インセンティブとして不適切』と判断されたことが原因である可能性が高い」と述べられています。

譲渡制限期間が最短で1年になる条件が何であるのかについては触れられていなかったので、確認みたところ、賛成率が64.89%になった議案は、「監査等委員である取締役(社外取締役を除く。)に対する譲渡制限付株式の付与のための報酬額及び内容決定の件」でした。

同総会で付議されていた「取締役(監査等委員である取締役を除く。)に対する譲渡制限付株式の付与のための報酬額及び内容決定の件」の賛成率を確認してみたところ、69.70%と上記議案よりも約5ポイント賛成率が高くなっていますが、やはり賛成率は高くありません。

譲渡制限期間については、原則中期経営計画に合わせて3年とされていますが、本事業年度はは中期経営計画の最終年度のため1年とされています。業績連動型譲渡制限付株式については、経営指標(売上高、営業利益率、総資産利敵率(ROA)、自己資本利益率(ROE))で評価するとされていますが、具体的な指標の数値は明示されていません。

付与対象となっている取締役(監査等委員をノ即)の選任議案自体は各自95%以上の賛成率となっていますので、利益の額がいくら以上で何%解除というような明確な指標が示されていないことが賛成率が低かった要因ではないかと推測されます。

もう一つ示されていたのが、オンラインショッピングサイトを運営する東証一部上場企業の平成30年6月総会で付議したストックオプションの発行議案です。この議案は賛成率が63.11%と低率にとどまっているとされています。

こちらは、業務執行取締役を対象としているが、権利行使期間が「発行日の翌日から20年間」とされており、「この点が長期的インセンティブとして不適切と判断されたものとみられる」と述べられています。また、同社のストックオプションは希薄化率が発行済み株式総数の9.95%と高めだったことも、低賛成率の一因になったと考えられるとされています。

CGコード補充原則1-1①では「取締役会は、株主総会において可決には至ったものの相当数の反対票が投じられた会社提案議案があったと認めるときは、反対の理由や反対票が多くなった原因の分析を行い、株主との対話その他の対応の要否について検討を行うべきである」とされており、これに対してどのような対応が図られるのかについても注目です。

関連記事

  1. 会社の清算手続(その1)-総論

  2. 書面交付請求の対象範囲が縮減される方向へ

  3. 改正会社法(その3)-監査等委員会設置会社詳細(その2)

  4. 22年3月期の事業報告書、従来よりも早期に作成が必要となる可能性…

  5. 分割計画書に記載しなければならない事項は(その1)?

  6. 改正会社法(その7)-資金調達関連の改正




カテゴリー

最近の記事

ブログ統計情報

  • 12,850,627 アクセス
ページ上部へ戻る