menu
閉じる
閉じる
閉じる
  1. 大規模法人の完全孫会社が中小企業特例の適用対象外に
  2. 空撮用ドローンの耐用年数は5年
  3. 企業等に所属する会計士の倫理規則等が改正されるそうです
  4. マザーズから東証1部に市場変更直後に東証2部への指定替え猶予期間に突入…
  5. 消費税10%経過措置Q&Aに追加されたQ&A(基本…
  6. 2018年IPO会社の監査報酬動向など
  7. SO税制拡充は限定的に-平成31年度税制改正
  8. 経営財務誌が選ぶ2018年5大ニュース
  9. 業績連動給与の要件緩和と厳格化
  10. 英国監査法人Big4でのパートナー解雇状況とは?
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

負ののれんが赤字の原因?-RIZAP

産経新聞のネット記事に”RIZAP赤字の原因「負ののれん」って何 Q&A”というものがありました。

RIZAPの赤字転落というニュースは目にしていましたが、原因が「負ののれん」とはどういう意味なのか気になったので、記事も含めて確認してみました。

まず、業績予想の修正内容から確認してみると、以下のとおりとなっていました。

通期業績予想では、売上収益が当初予想に対し191億円、営業利益が263億円減少し、営業利益で33億円の赤字となっています。

修正理由のコアな部分は以下のとおりとされています。

今期 2019 年3月期においても、業績予想を達成すべく、引き続きM&Aによりグループ入りした企業の経営再建に注力してまいりましたが、ワンダーコーポレーション、ジャパンゲートウェイ、サンケイリビング新聞社、ぱど、タツミプランニングにおけるメガソーラー事業等、過去1年以内に当社グループ入りした企業・事業を中心に経営改善が当初の見込みより遅れていること、構造改革が進展し成長路線へ転換しつつあった MRK ホールディングス(2018 年 10 月 1 日付でマルコより社名変更)において主力商品の一時的な生産遅延の影響や構造改革の実施継続等により業績回復が遅れていること、及び、SD エンターテイメントにおける本年9月6日に発生した北海道胆振東部地震に伴う特別損失の計上等により、これらのグループ会社・事業の業績が通期業績予想に対し大幅に未達成となる見込みとなっております。

自然災害の影響もあったものの、基本的にはM&Aした会社が上手くいっていないというのが本質的な原因のようです。M&Aを頻繁におこなっているというイメージはありましたが、同社の有価証券報告書を改めて確認してみると、沿革に記載されている主要なものだけで2017年の1年間に7社(うち3社は上場会社)を取得し子会社化していることが確認できました。2018年にも3月に2社を取得し子会社化している旨が記載されています。

規模拡大を目指して積極的にM&Aを展開し、PMIに失敗するというありがちな話かと思いましたが、そうだとすると「負ののれん」が原因とは何だという話になります。そして、業績予想修正の主な要因別の影響額は以下のとおりとされています。

連結営業利益の前回発表予想と今回修正予想との差異に関する主な内訳は、主にグループ入り 1 年以内の企業を中心とした経営再建の遅れによる影響額として約 7,160 百万円、早期の構造改革のために今期において計上する構造改革関連費用等を含む非経常的損失として約 8,350 百万円、新規M&Aの原則凍結による影響額として約 10,360 百万円、その他連結調整等における影響額として 430 百万円を見込んでおります。

産経新聞の記事によると「31年3月期も期初の予想に100億円の負ののれんを含んだ買収による増益を見込んでいた」ということで、「新規M&Aの原則凍結による影響額」は「負ののれん」が計上できなくなったということと同義のようです。とはいえ、あとは実行するだけというような状況でもなければ、負ののれん100億円を予算に見込むだろうかという気はします。そこで実績値を確認してみると14年3月期(日本基準)に8億円、17年3月期58億円、18年3月期88億円と17年3月期より異常に多額の負ののれんが計上されていることがわかりました。負ののれんの伸び率なんてものが予測としてあるのかはわかりませんが、58億、88億とこれば次は100億ということだったのかもしれません。

一方、当期利益は17年3月期が78億円、18年3月期が107億円となっており、当期利益に対して負ののれんが占める割合が異常に高いということがわかります。有価証券報告書の注記をみると、すごく大きな負ののれんが発生した案件があるという訳ではありませんが、一般的な感覚からすると負ののれんが発生している案件数の割合が多すぎるという感じはします。

M&Aの状況は様々なので、負ののれんが多いから間違っているとはいえませんが、負ののれんは癖になるというのはあるように感じます。M&Aで一度負ののれんで利益が計上されることを経験すると、負ののれんが生じるかどうかを必要以上に気にするようになる会社担当者が多いように感じるのも事実です。負ののれんは単に買手が将来見込みを見誤っており、売手は正しくそれを理解しているだけということも十分考えられますので、負ののれんが数多く計上されるのは何かおかしいかもしれないと経営者は考えたほうがよいと思いますが、うちは会社を安く買うスキルに長けていると自信をもってしまったのかもしれません。。

ところで営業CFはどうなっているのかと確認してみると、18年3月期は8760万円、17年3月期は1億7555万円となっていました。もっとも、営業CFは広告宣伝を少し調整すれば如何様にもできそうですが、有利子負債が約770億円と積み上がってきているのが今後ボディブローのように効いてくるかもしれません。

ちなみにRAIZAPの監査法人はどこだったのか調べてみると、東邦監査法人でした。これだけ頻繁にM&Aをやって、子会社数も増えているようなので、大手かと思いきやちょっと意外でした。

RIZAPだけに短期間でスリムになっていくのでしょうか。ちょっと注意して観察してみたいと思います。

関連記事

  1. 現物出資の消費税には要注意-税理士法人プライスウォータクーパース…

  2. 無対価吸収分割の会計処理-100%子会社から100%子会社

  3. イギリスのEU離脱で日本経済新聞社の「のれん」の運命は?

  4. 企業結合に関する会計基準の改正と税務上の有価証券の取得原価

  5. 「のれん」の費用化年数は米国82年、日本は9年

  6. 共通支配下の事業譲渡に係る税効果-連結財務諸表の処理

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

カテゴリー

ページ上部へ戻る